jjさんの日常生活

jjと呼ばれる人のありのままの日常生活をスケッチし、世の中の事象についての軽い感想を記す。

浅田次郎『流人道中記』309から

<この荒涼とした、まるで芝居の書割りのような嘘くささはどうしたことだろう。夢の中の風景のようであり…

そして気付いたのだ。この曠野(あれの) を宰領しているのは、「死」だと。…

「しばらく、おのおのがた、しばらく」…

「この有様を、しかとご覧(ろう)じろ」>

 

浅田次郎の「流人道中記」、ついに純真無垢のまま死を迎えた亀吉の姿が示された場面。

仙台七北田、荒涼たる風景の永劫回帰のような描写と、亀吉の死を目の前にした阿部勘之丞の、精神が高揚して発せられた科白!