何が起こるかわかったものではない!
1960年代後半から70年代にかけて、資本主義はその矛盾が極限に達して今にも崩壊すると、声高に叫ばれた政治の季節があった。
だが、終末や崩壊の危機の実感はほとんどなかった。
そして2020年の今、世界同時革命は確かに到来したようだが、それは高度情報化社会として実現されたものだった。
この高度情報化社会は金融資本主義にも恩恵をもたらしたかのようであるが、高等数学などを勿体らしく折込ながら、益々フィクションにも近い観念的なものにもなって、人々の欲望を限りなく刺激し続けている。
ここには極めて容易にすべてのものが崩壊していくような危機を孕んだ切迫性がある。
そして、今やこの高度に情報化された金融資本主義のシステムは、もちろん旧来の革命イデオロギーによってではなく、また、偶発的な核戦争や自然災害に絡んだ事故、あるいはコンピューター・ウイルスによってでもなく、変異した本物のウイルスによっても一瞬にして容易に崩壊しかねないことが今回、警告され、証明されようとしているようにも思える。
こんな時、オリンピックどころの話ではないだろう。
G7の電話会談でオリンピック開催を危ぶんで話題に出し、各国首脳の反対はなかったと日本国首相は言っているようだが、あまりにピントが外れていないか。
もっとも、米国をはじめ、ヨーロッパ首脳も、当初このウイルスを甘く見ていたようだ。だが、強権の中国があれだけ血相を変えていたのだから、これはただごとではないと思うべきだったのではないか。
簡単に抑え込めるようなウイルスなら、中国はもっと平静でいたろうから、これは何かあるともっと真剣になっていてよかったはずだ。
中国から、各国はもっと有益な情報をもらうべきだし、有益な情報があるなら、中国はそれを世界に提供すべきだ。